IR Report
第90期株主通信
2024年4月1日から2025年3月31日まで

TOP MESSAGE トップメッセージ

挑戦の先に、持続可能な成長を。
代表取締役社長浅沼 誠
-
Q1 2025年3月期の実績についてお聞かせください
-
2025年3月期の経済環境を振り返りますと、企業の景況感は総じて良好であるものの、先行きの景気は減速の兆しも見られました。加えて、米国の関税政策やウクライナ・中東情勢などの地政学的リスクの高まりなど、世界経済への影響も不安視され、不透明な状況が続いております。
建設業界では、公共・民間建設投資ともに底堅く推移しており、建設投資全体では、物価変動の影響を含めた金額である「名目ベース」で前年を上回り、物価の変動を除いた実質的な投資規模を示す「実質ベース」でも前年並みの水準を維持いたしました。
このような経営環境のもと、当社は中期3ヵ年計画の初年度として、重点施策の着実な遂行に取り組んでまいりました。
その結果、受注高につきましては、前期比1.8%増、計画比28.0%増と、計画を上回る水準で着地いたしました。特に建築事業における工場・倉庫案件の引き合いを引き続き多くいただいていることにより、受注高増加に寄与いたしました。
また、売上高につきましては、手持ち工事が順調に進捗したことにより、前期比・計画比ともに増加いたしました。
利益につきましては、受注時の資材・労務費及び施工体制等を考慮した「選別受注」により、売上総利益率が大幅に改善いたしました。その結果、売上総利益額は前期比27.2%増、計画比11.8%増と、いずれも大きく上回りました。
-
Q2 2026年3月期の計画について教えてください
-
今後の見通しにつきましては、前年度より伸び率は縮小するものの、建設投資全体については引き続き底堅く推移するものと予想されます。しかしながら、海外景気の下振れや物価上昇、米国の政策動向等の影響について引き続き注視が必要です。
こうした状況を踏まえ、連結業績計画につきましては、売上高は2025年3月期の繰越工事高を加味し、1,703億円(前期比32億9千4百万円増)を見込んでおります。営業利益は70億3千万円(前期比1憶6千2百万円増)とし、利益率は現状と同水準を維持してまいります。
受注高は1,515億円(前期比291億2千4百万円減)としております。これは、過年度の受注が好調であり繰越工事が潤沢であるため、より一層の利益確保の「選別受注」を推進し、今期受注は前期比減少の計画としております。
中期3ヵ年計画の残りの2年間で計画を確実に達成できるよう、引き続き施策を着実に遂行してまいります。
-
Q3 中期3ヵ年計画の進捗について
-
本計画では3年間で注力する6つのテーマを選定しております。
「国内コア事業の強化」では、受注時利益率や作業所の4週8閉所、施工体制等を確保できる受注の獲得に努める「選別受注」を一層強化いたしました。また、環境配慮や人の健康等に資する取組み「GOOD CYCLE PROJECT」における当社独自技術の提案強化が、設計施工や特命受注の増加にも寄与してきております。
「ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化」においては、役員報酬決定方針を改定し、営業利益に加え、ROE・ROIC計画を報酬における指標として取り入れました。また、IR強化の一環で、より多くの投資家様へ当社の事業活動を知っていただけるよう多様な形態での投資家説明会の開催や、新しい投資家プラットフォームの活用を開始しました。
「DX推進」においては、2024年3月に、経済産業省による「DX認定制度」で定める「DX認定事業者」の認定を取得しました。これはデジタル技術による社会変革に対して経営者に求められる事項を取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対応し、DX推進の準備が整っていると認められた企業を認定する制度です。建設業界では労働人口の減少が進み、事業・技術継承が喫緊の課題と捉えており、DXによる業務効率化・生産性向上は、これらの課題解決に向けた一助になると考えております。
その他の施策においても着実に取り組んでいくことで様々な社会変化に対応し、新技術開発による人材不足対策をはじめとした生産性の向上、既存技術の洗練や新領域へも挑戦し、多様に変化する経営環境の下、経営課題をしっかりと捉え、全役職員一丸となってさらなる企業価値向上を目指してまいります。(各テーマのKPIの進捗についてはTOPICSをご覧ください)
-
Q4 株主還元・配当について
-
当社は、株主の皆さまへの利益還元を最重要施策の一つと位置づけております。その実現に向けては、将来の事業展開に必要な新技術の開発を進めるとともに、企業としての競争力を維持・強化し、業績に裏付けられた成果配分を行う方針です。
配当方針と直近の業績動向および中期3ヵ年計画における連結配当性向70%以上とする株主還元計画を踏まえ、2025年3月期の期末配当を26円といたします。これにより、2025年3月期の中間配当金(15円)と合わせた年間配当金は1株につき41円となり、2024年5月14日に開示した当初の年間配当予想からは1株につき6円の増配、2024年3月期の年間配当実績からは1株につき40銭の増配となります。次期の配当につきましては、中期3ヵ年計画の株主還元計画のとおり、連結配当性向70%以上を維持し、1株につき41.5円を計画しております。
- HIGHLIGHTS
- HIGHLIGHTS
- HIGHLIGHTS
- HIGHLIGHTS
HIGHLIGHTS 連結業績ハイライト
2025年3月期は連結業績計画の受注・売上・利益全てにおいて達成
国内建築における工場・倉庫等の大型案件の受注や工事の順調な進捗により受注高・売上高ともに増加しました。利益についても受注時の資材・労務費及び施工体制等を考慮した「選別受注」により売上総利益率が大幅に改善され、各利益額が増加しました。上述の結果、配当も期初計画より増配になり、2025年3月期の連結業績計画の受注・売上・利益全てにおいて達成することができました。
-
受注高
1,806億
24百万円
前期比
1.8%増
-
売上高
1,670億
5百万円
前期比
9.4%増
-
営業利益
68億
67百万円
前期比
69.3%増
-
親会社株主に帰属する当期純利益 / ROE
46億
92百万円
前期比
0.5%増
-
連結貸借対照表の概要
※記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。 資産は前期末に比べて13.8%増加し、1,152億4千万円となりました。これは、受取手形・完成工事未収入金等が88億1千万円増加し、投資その他の資産の貸倒引当金が5億1千4百万円増加したことなどによります。
負債は前期末に比べて31.5%増加し、691億2百万円となりました。これは、未成工事受入金が43億7千1百万円増加し、長期借入金が89億6千3百万円増加したことなどによります。
純資産は前期末に比べて5.3%減少し、461億3千8百万円となりました。これは、子会社であるEVERGREEN ENGINEERING & CONSTRUCTION PTE. LTD.の株式を追加取得したことなどにより、資本剰余金が19億8千万円、非支配株主持分が6億5千2百万円それぞれ減少したことに加え、親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当金の支払などの結果、利益剰余金が2億7百万円増加したことなどによります。
-
連結キャッシュ・フロー計算書の概要
※記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。 営業活動では、売上債権が増加したものの、未成工事受入金の増加及び税金等調整前当期純利益を計上したことにより、51億8千4百万円の資金増加となりました。
投資活動では、無形固定資産の取得などにより、7億8千4百万円の資金減少となりました。
財務活動では長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済による支出、配当金の支払及び連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出により、9億1千3百万円の資金減少となりました。
TOPICS 中期3ヵ年計画(2024~2026年度) KPIの進捗について
中期3ヵ年計画において、3ヵ年で注力することとして選定した6つのテーマ毎に本計画最終年度(2026年度)における成果を示す指標としてKPIを定めております。
各テーマにおけるKPIの2024年度実績は、2026年度末目標に向け概ね順調に推移しています。
テーマ(3年間で注力すること) |
財務・非財務 KPI |
2024年度実績に関する補足 |
||
---|---|---|---|---|
2026年度末目標 |
2024年度実績 |
|||
1 |
国内コア事業 |
顧客満足度
スコア 80点以上 |
79.9点
|
|
2 |
リニューアル |
連結営業利益におけるリニューアル営業利益
40%以上 |
45.3% |
|
3 |
人材の獲得・ |
エンゲージメントスコア
70点以上 |
69.6点 |
|
4 |
DX推進 |
労働1時間あたりの売上総利益
6,000円以上 |
6,722円 |
|
5 |
ガバナンス・コンプライアンス・リスク管理の強化 |
重大な法令違反
件数 0件 |
0件 |
|
死亡災害
0件 |
0件 |
|||
6 |
環境・社会への貢献 |
CO2排出量
総量削減率 スコープ1+2 △75% スコープ3 カテゴリ11 △8% |
算出中 |
|
大阪・関西万博 オランダパビリオンが竣工、建設ストーリーを紹介する特設サイトを公開しました。
当社が施工を担当したオランダパビリオンが竣工し、開幕を迎えました。
開幕を間近に控えた2025年3月31日、パビリオン施工にまつわるストーリーを紹介する特設サイト「挑戦の数が未来を創る『チーム淺沼組』の軌跡」を公開しました。
本サイトは、オランダパビリオン建設に至った背景や、設計から施工、そして建物完成までの舞台裏をストーリー形式で紹介するほか、プロジェクトに携わった社員のパビリオン建設への想いや、それぞれのフェーズでの挑戦を振り返った動画コンテンツを掲載しています。
パビリオンの建設に淺沼組はいかにして挑んだのか。
建設会社の誇りと使命のもと、数え切れないほどの難関に共に挑戦したリアルストーリーをぜひご覧ください。
PROJECTS 工事実績
主な受注工事
工事名称 |
発注者 |
施工場所 |
---|---|---|
(仮称)仙台市青葉区一番町オフィス開発計画 |
株式会社サンケイビル |
宮城県 |
DMG MORI 長岡新工場新築工事 |
株式会社太陽工機 |
新潟県 |
中宮浄水場~春日受水場間口径800㎜以下送水管更新工事 |
枚方市上下水道局 |
大阪府 |
配水管更新及び布設替工事(2次工水2期管・堺市) |
大阪広域水道企業団 |
大阪府 |
(仮称)アイランドシティフォレストプレイスⅢ街区G-3棟 新築工事 |
フォレストプレイスⅢ街区JV |
福岡県 |
シュワブ(R6)厚生施設等新設建築工事 |
沖縄防衛局 |
沖縄県 |
主な完成工事
-
NUSプロジェクト「sauna house」新築工事
発注者
株式会社チッタエンタテイメント
施工場所
神奈川県川崎市
延床面積
約1,900m²
構造/規模
鉄筋コンクリート造/6階
-
新東名高速道路 四十八瀬川調整池整備工事
発注者
中日本高速道路株式会社
東京支社施工場所
神奈川県秦野市
土工事
約53,000m³
法面工事
約4,500m²
-
センコー東大阪第2PDセンター新築工事
発注者
センコーグループホールディングス株式会社
施工場所
大阪府東大阪市
延床面積
約29,600m²
構造/規模
鉄骨造/5階
-
03-浜甲子園団地第Ⅳ期北工区建築その他工事
発注者
独立行政法人都市再生機構
西日本支社施工場所
兵庫県西宮市
延床面積
約10,300m²
構造/規模
鉄筋コンクリート造/6階
- STOCK INFORMATION
- STOCK INFORMATION
- STOCK INFORMATION
- STOCK INFORMATION
STOCK INFORMATION 株式の状況2025年3月31日現在
発行可能株式総数 |
290,000,000株 |
---|---|
発行済株式の総数 |
80,786,290株(自己株式 177,635株を含む) |
株主数 |
25,862名 |
大株主
株主名 | 持株数 | 持株比率 |
---|---|---|
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) |
10,840千株 |
13.45% |
淺沼組弥生会持株会 |
4,140千株 |
5.14% |
平和株式会社 |
3,200千株 |
3.97% |
株式会社日本カストディ銀行(信託口) |
2,613千株 |
3.24% |
住友不動産株式会社 |
1,830千株 |
2.27% |
浅沼 誠 |
1,433千株 |
1.78% |
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 |
1,425千株 |
1.77% |
株式会社南都銀行 |
1,235千株 |
1.53% |
淺沼組自社株投資会 |
1,146千株 |
1.42% |
株式会社三井住友銀行 |
943千株 |
1.17% |
(注)
1.千株未満は切り捨てて表示しております。
2.持株比率は、自己株式を控除して算出しております。
所有者別株式分布状況
