保有技術

ピロティの新たな耐震補強工法[SS-DFRCC補強工法]
概要
1995年の兵庫県南部地震では、ピロティ建築物の多くが強度および剛性の小さなピロティ階で甚大な被害を受けました。その反省をふまえ、ピロティの新たな耐震補強技術として開発されたのが「SS−DFRCC補強工法」です。
 本工法はSSユニットと称する付加柱を建築物のピロティ層や壁抜け階に設置することで、既存の鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造のピロティ建築物および壁抜け階を有する建物の耐震補強を行う工法です。財団法人日本建築防災協会の技術評価を2010年2月に取得しています。


特徴

1.本工法は、ピロティ階や壁抜け階の補強において一般的な鉄筋コンクリート造の耐震壁増設工法にくらべピロティ階や壁抜け階の剛性と耐力の向上を比較的簡便な施工方法で実現できます。


2.SSユニットの剛性や耐力は、その形状や配筋を容易に変えられ、自由な成形が可能なことから、特性や形状を個々の構造物に適した部材とすることができます。


3.ピロティ空間や壁抜け空間の機能への影響を最小限に抑えながら、地震による損傷を軽減できる利点を有しています。


システム説明

1.本工法ではピロティ階や壁抜け階に、高靭性セメント複合材料のひとつであるハイブリッド型繊維補強セメント複合材料を用いたプレキャスト部材であるSS部材と、周辺架構に接合するために現場打ちの鉄筋コンクリートで造られた上下一組のスタブからなるSSユニットと称する耐震補強要素を、既存柱の近くの構面内に配置する補強を行います。


2.構面に水平耐力を付加するとともに、地震時に既存鉄筋コンクリート柱の受ける圧縮軸力を緩和することによって、耐震性能を向上させます。


3.SS部材に使用されるハイブリッド型繊維補強セメント複合材料は、スチールコード繊維と合成繊維(ポリエチレン繊維あるいはビニロン繊維)の異なる2種類の短繊維をセメント系材料に混合して補強した複合材料で、鉄筋コンクリートに比べ曲げ、引張、圧縮破壊時の靭性能が高い特長があります。



ページの
トップへ