外付け耐震補強工法[フィルフレーム工法]
概要
フィルフレーム工法は、柱・梁のみの鉄骨フレームを建物の外壁に取り付けることによって、既存建物の耐震性能を向上させる外付け耐震補強工法です。鉄骨フレームはブレースが無く、既存の柱・梁と同じ箇所に取り付けられます。そのため、外観デザインに与える影響は小さく、景観や採光を妨げることもありません。また、屋内工事を必要としないので、建物を使用しながらの耐震補強に適しています。
建物と鉄骨フレームとの取り付け部分には、従来の無収縮モルタルに代えて当社開発の無収縮高流動コンクリート「スーパーフィルクリート」を充填します。打ち込みは通常のコンクリートポンプ車を使用しますので、無収縮モルタルを充填する場合と比べて工期を短縮することができます。

特徴

1.本工法は鉄骨架構を既存架構の構面の外側に直付けする完全外付け型の補強方法であり、室内の工事を必要としないので、建物を使用しながらの補強に適しています。
2.ブレースがなく、眺望や採光を損ねません。また、建物の外観に与える影響も小さく抑えます。
3.補強部材による重量増加が小さいので、新たな基礎を設ける必要がありません。
4.「スーパーフィルクリート」の採用により、従来の無収縮モルタルを充填する場合と比べて施工性が高まり、短い工期で施工することができます。
※スーパーフィルクリートは、一般財団法人日本建築総合試験所 建築技術性能証明 第09-01号において、その施工性および材料的な性質についての証明を受けた材料です。
システム説明
鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造の建物への補強に適用できます。外付けする補強架構として、フレーム型(鉄骨ラーメン架構、鉄骨間柱付きラーメン架構)の他に従来のブレース型(鉄骨ブレース架構)も使用することができますので、柔軟な補強計画が可能になります。フレーム型では景観および採光面で、ブレース型では強度面で有利になります。
1.スパンの中央に壁があるケースでは、「鉄骨間柱付きラーメン架構」によって補強することで、景観と採光を確保できます。
ブレース架構によって補強
間柱付きラーメン架構によって補強
2.スパン全域にわたる大開口があるケースでは、「鉄骨ラーメン架構」によって補強することで、景観と採光を確保できます。
ブレース架構によって補強
ラーメン架構によって補強