プロジェクト

川崎駅前「ラ チッタデッラ」に誕生。ゼロになれる体験を届ける、シン・都市型サウナ「saunahouse(サウナハウス)」

川崎駅にほど近く、イタリアの街角を思わせる風景が広がる「ラ チッタデッラ」。ゆるやかに人々が憩う中庭を介し、シネマコンプレックス「チネチッタ」、ライブホール「クラブチッタ」、スポーツ施設や飲食店など多彩なエンターテインメントが集まる複合商業施設です。

その一角に、新たにサウナ特化型施設「saunahouse(サウナハウス)」が誕生しました。

事業企画はラ チッタデッラを運営する株式会社チッタエンタテイメントが手がけ、運営はグループ会社で長年サウナ事業を展開してきた株式会社レックスが担当。これまで培ったノウハウを活かし、川崎に集う人々の新たな癒しの場を提供するとともに、日常をより豊かにするコミュニティ空間を目指して一棟まるごとサウナを楽しめる施設を実現しました。


今回のプロジェクトの施工を担当した作業所長の室岡宏信は、「事業主であるチッタエンタテイメントの美須社長をはじめ、サウナ好きのメンバーが集まり、自分たちが考える理想のサウナを形にするという想いのもと、こだわり抜いたサウナ施設が実現しました。工事のスタートから、チッタグループより『ZERO DIVE』という、ゼロになれる体験を届ける施設としてのコンセプトの共有があり、ラ チッタデッラの世界観に調和する空間を目指して施工を進めていきました」と話します。

  • 作業所長 室岡宏信
男女同スペックで、すべての人に「ゼロになれる」体験を届ける

「saunahouse(サウナハウス)」は『ZERO DIVE』をコンセプトに、あたらしいこと、たのしいことを生み出すすべての人たちへ、ゼロになれる体験を届けることを目指しています。その最大の特徴は、男女ともに同等のスペックを備えたサウナ施設であること。日本ではサウナ施設は男性と女性の設備に差がある施設が一般的ですが、老若男女問わず楽しめるカルチャーを発信し続けてきたチッタエンタテイメント様ならではのこだわりが詰まった空間となっています。

  • 1階 フロント

1階フロントで受付を済ませた後、男性はエレベーターで4階へ、女性は6階へと向かいます。3・4階が男性用フロア、 5・6階が女性用フロアに分かれ、それぞれ広々とした空間が広がっています。

  • 上の階(男性4階/女性6階)には2つのサウナ、42度のホットバスと17度の水風呂を完備
  • 「SAUNA1」オートロウリュサウナ

内階段でつながる下のフロアには、水深1メートルのプール、10度の水風呂、36度の炭酸泉が用意されています。また、3種類の趣向を凝らしたサウナも特徴的です。

  • 「SAUNA3」高低差があり、異なる温度を体験できるオートロウリュサウナ
  • 「SAUNA4」100度前後の設定で室温が最も高い高温サウナ
  • 最も温度の高いサウナの横には、体をしっかり冷やす10度の水風呂を設置
    頭まで潜れる水深1メートルのプールに、炭酸泉は36度の人肌程度の温度に設定

また、2階のレストランフロアには、リクライニングチェアやビックテーブル、半個室エリアなど、多様なスペースが設けられ、サウナの後にゆっくりとくつろいだり、食事を楽しんだり、ちょっとした仕事や打ち合わせにも利用できるような環境が充実しています。

  • レストラン「THE CEDAR TABLE」
PROJECT STORY

今回、施工を担当した現場所長の室岡宏信と営業担当の布野佳基から、プロジェクト完成に至るまでのプロセスや携わった思いについて聞きました。

イメージを具現化する、対話と検証を重ねた施工プロセス

――近年、サウナ人気を受けて新たな施設が増えるなか、サウナに特化した施設ならではの課題や、施工において意識した点を教えてください。

室岡(所長)「サウナ施設の施工は、水回りに全ての要があると言っても過言ではありません。図面には表れない配管の配置や納まり(どのように納めるか)にも細心の注意を払い、何度も検証を重ねながら仕上げを行いました。また、現場で決めていくことが多かったため、将来的なメンテナンスを見据えてコストや機能性、実用性のバランスを考慮しつつ提案を行い、一つ一つ課題に対してチャレンジしながら作業を進めていきました。さらに、物量が多いなかでの施工という点では、繁華街の狭い敷地での作業が特に大変でしたが、関係各所と密に連携し、チーム全体で乗り越えることができました。

――図面には表れない内容を施工に落とし込んでいくことについて、どのように対応されたのですか。

今回の物件に関しては、独創的なデザインに合った素材を見つけ出し、創り出すという形で進めていった。例えば、マンションであればメーカーが製作している既製品をそのまま取り付けることも多いが、今回はすべて納まり一つ一つを考えて、取り付けている。社長自らが見つけてきた海外製の素材を、現場で協議・検討をして仕上げるといった過程もあり、それぞれの関係者が持ち寄ったアイディアや素材をどのように形にするかを徹底的に考える、熱意あふれるプロセスでした。

さらに、デザインのマスタープラン(基本計画)は、美須社長の従兄弟であるイタリア人の建築家が手がけており、その独創的なデザインをどのように具現化するかが大きな挑戦でした。図面だけでは伝えきれない空間の雰囲気を再現するために、試行錯誤を繰り返した結果、「シン・都市型」というコンセプトを体現した、唯一無二の空間を完成させることができたと感じています」

――現場ではどのようにコミュニケーションをとりながら作業を進められたのでしょうか?

現場で行う通常の定例会議に加え、デザインを中心に協議する定例会議を設け、お施主さまから提供されたイメージ写真をもとに、具体的に施工に実現させるべく進めていきました。イメージにどれだけ近づけられるか、それを具現化するにはどうしたら良いか。ひとつひとつの課題に対して、チーム全体で議論を重ねながら作業を進行しました。

川崎の街に新たな景色を加え、新しい体験価値を提供する

――プロジェクトの完成をどのように感じていますか?

布野(営業担当)「ラ チッタデッラを運営するチッタグループは、創業から100年の歴史を持つ企業です。戦前から映画館を次々に開業し、戦後の復興を経て、川崎の街に映画や音楽といったカルチャーやライフスタイルを根付かせながら街づくりを進めてこられました。当社はこれまで、ラ チッタデッラでの部分的な改修工事や、蒲田での解体工事などをご下命いただき、長くお付き合いをさせていただいてきました。そして今回、新築工事として、これまでチッタ様が築いてきた街に新しい建物が加わることに携わることができ、非常に感慨深く感じています。これまでの歴史に新たな街の景色を加える一役を担えたことを光栄に思います」

  • 布野佳基(営業担当)

室岡(所長)「今回のプロジェクトは、チッタ様の世界観のなかで、進化したサウナの理想の形を追求した、これまでにない新しい施設が完成しました。ラ チッタデッラに訪れる人々が、映画や音楽、スポーツなどのエンターテインメントを楽しんだあとに、この『サウナハウス』で汗を流し、1日の締めを迎えられる場所ができました。ぜひ足を運んで、体験していただきたいです」

施設名saunahouse(サウナハウス)
所在地神奈川県川崎市小川町5-1
規 模地上6階
面 積敷地面積436.72m²/建築面積336.52m²/延床面積2006.61m²
事業企画株式会社 チッタ エンタテイメント
運 営株式会社 レックス
マスターデザインMATTEO PIEROTTI(MP2)
建築設計株式会社 Arch5
施 工株式会社 淺沼組
サウナ施工協力テルマリウム株式会社


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